タスマニア紀行

このコーナーでは、タスマニアの魅力ある風物誌を
いろいろな切り口で紹介していきます。
もうひとつの「タスマニア物語」をどうぞお楽しみください。

タスマニア紀行第3回 地球で最も空気がピュアな島

 吼える40度線(Roaring Forties)
タスマニアの空港に到着し、機外に降り立ったとたんに感じること。何という空気のさわやかさ、乾いて涼しい透明な大気の流れ。   そんな感触が普通に感じられる、それがタスマニア。
南緯43度の、豪州最南端に位置するタスマニアの西方は延々と広がる大海原。 1万キロ先のアフリカ大陸まで南氷洋、インド洋が広がり汚染の要因となるものはいっさい存在しません。 
タスマニアの汚染をしらない空気は、この南緯40度線にそって吹く強い西風 Roaling Forties にのってやって来るのです。
英国の手によってタスマニアの入植が始まったのは1803年。  オーストラリアの歴史の中ではシドニーについで2番目に古い場所になります。何ゆえにこんな小さな島の入植がそれほど早い時期に行われたのか? 
流刑制度の基で囚人の送り先として管理のやりやすい島が選ばれたということもあるでしょうが、19世紀初頭の帆船時代においては運航の重要な要素であったこの偏西風が その要因であったのかもしれません。 英国の港を出港した船は南下してアフリカ大陸の南端喜望峰を迂回、東に方向を転じて吼える40度線にそって走り続けました。
そして、この偏西風にのって行き着いた先に、まずこのタスマニアの島があったというわけです。
吼える40度線の風は今でもこのタスマニアに吹き渡っています。
左側の写真   
フレシネ国立公園
(フレンドリービーチ

右側の写真
グリム岬の測候所
  雨水が飲めるタスマニア?
タスマニアの各地を車で走っていると、ちょっとした小雨の中で洗濯物が出しっぱなしというような光景に出会うことがあります。
さすが、オージーの奥さん多少のことは問題にしない・・・・なんてこともあるかもしれませんが、実際は雨で濡れても洗濯物が汚れる心配なんかないんだということもあるのです。 日本では酸性雨や中国大陸の黄砂などとても出しっぱなしというわけにはいかんでしょうが、タスマニアの雨はとてもきれいなのです。
瓶詰めにして販売されている「タスマニアレインウォーター」というのをご存知ですか? 
「美味しんぼ」の漫画のテーマで取り上げられたのをご覧になった方もいらっしゃるでしょう。 タスマニアの雨水はそれほどクリーンだというわけです。 実際、町を遠く離れた牧場地帯を走っていると、ポツンと建った家の横手に大きな水のタンクが設置されているのがわかります。 上水道の完備していない遠隔地ではタスマニアの生活用水はほとんどが雨水―天水が使用されているのです。
空気がピュアなタスマニアは、レインウォーターもピュアな島なんだというわけであります。
左側の写真   
グリム岬の測候所


右側の写真
瓶詰めのレインウオーター

  ピュアな空気はグルメのもと
タスマニアの北西の突端にケープ・グリムという岬があります。 このグリム岬には地球の大気汚染のモニタリングを行う測候所が設けられています。
北半球ではハワイに、南半球はこのタスマニアと地球上で2ヵ所しか設けられていない施設です。各種の汚染物質、二酸化炭素の割合など地球の大気の汚染の具合を継続的にチェックしています。すなわち、環境汚染のもっとも少ないタスマニアに吹き寄せる風をしらべることで、地球全体の大気の汚染状況がわかるというわけなのです。
このグリム岬の北には、キングアイランドというグルメの島があります。偏西風を受けながらも温暖なこの島はオーストラリアでもっとも牧草の豊かなところとして知られています。この牧草の元で育った乳牛から生産されるチーズやクリームは世界各地の品評会で高い評価を受け、牛肉はキングアイランドビーフとしてオージービーフの最高級というお墨付きをもらっています。
最近この島は、強い西風を利用した風力発電の島としても知られています。

「地球で最も空気がピュアな島」というコピーは、JALグループホテルの館内誌「ファウンテン」のタスマニア特集から借用しました。 この雑誌の第27号(2003年3月発行)に掲載された記事は、その写真・構成ともに素晴らしい内容です。もしお近くでご覧いただく機会がありますれば、ぜひぜひどうぞ。

JALグループホテル
ファウンテン誌

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 バックナンバー集
タスマニア紀行第1回:  小さなダイビングの天才  フェアリーペンギンについて

タスマニア紀行第2回:      壁画の町   シェフィールド


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