タスマニア再発見

豪州国内で毎月発行されている日豪プレス紙と同時掲載でお送りする新特集
当社元代表の千々岩 健一郎が同紙に連載するコラムです。
タスマニアの魅力を新しい切り口で紹介するこのコーナーをどうぞお楽しみください。

第85回日豪プレス 2015年9月号掲載 季節の味覚 スカロップ

我が家の近くのレストランでは、毎年冬から春のこの時期「スカロップ祭り」と題して採りたての貝を美味しく食べさせてくれる。天ぷら風にカラッと揚げたものをおなじみのチップスとともに盛り合わせたまあFish&Chipsの類だが、季節感のある食材でとてもいい。

タスマニア近海で採れるスカロップ「Commercial Scallop」は正式にはイタヤガイで、日本のホタテガイ「Japanese Scallop」とは異なった種類のものである。ただし、当地の日本人の間ではもっぱらホタテという名前で通用している。日本のホタテに比べると一回り小さく、貝柱のみが流通している日本と異なり、当地では貝柱にオレンジ色の卵巣が付いた状態で販売されるのが一般的だ。(この貝は繁殖期以外はオスとメスの区別がなく、卵巣が精巣になる場合もある。)

このタスマニアのスカロップはもともと島の周囲の浅い海底にふんだんに生育していたが、乱獲のために資源が枯渇して収穫が全く出来なくなった時期がある。80年代の終わりごろのことだ。実は、この資源再生のために日本の技術者たちがはるばるタスマニアまで招聘されたという歴史がある。当時、増殖の技術が確立されていた北海道を州の漁業省の人が訪問しその技術を導入したいという話になったらしい。この要請に基づいて、4家族の日本人が移り住み、東海岸のトライバナ付近をベースに20年近くにわたって増殖事業の指導を行った。増殖とは、種を一定の海域にまいて資源を育成するという準養殖的な方法だ。現在ではひとつの会社がこの東海岸でこの技術を確立して安定した生産を行っている。同時にある程度復活した天然資源も、永続的な活用を行うための管理方式が導入され、毎年試験操業を行って漁獲量や収穫の場所をコントロールしながら一定量が収穫されている。現在、マーケットで販売されているスカロップは、復活した天然の漁場で収穫されたものと管理された水域で増殖された準養殖タイプのものということになる。

シーズンは7月ごろから産卵の始まる前の12月ごろまでだが、統計的には9月がもっとも収穫量が多い。とはいっても限られた数量しか収穫できないため価格的には決して安いものではない。季節の味覚としてのスカロップをおいしく楽しむための料理のコツは過熱しすぎないことだそうだ。焼きすぎると身がかたくなってしまい風味を失ってしまう。焼くにしても煮るにしても短時間ですますことがポイント。ホワイトソースやカレーの場合は、火を止めた後の余熱で調理するぐらいがいい。

上の写真:タスマニア産のホタテ(イタヤガイ) 
下の写真:ホタテの料理例と我が家の近くのシーフードレストラン  最初の写真はプロッサーズ提供


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