タスマニア紀行

このコーナーでは、タスマニアの魅力ある風物誌を
いろいろな切り口で紹介していきます。
もうひとつの「タスマニア物語」をどうぞお楽しみください。

タスマニア紀行第4回 セントラル・プラトー 中部山岳台地 探訪
湖沼群の島タスマニア
タスマニアの中央部やや西側に連なる標高約1000mの広大な山岳台地をセントラルプラトー又はセントラルハイランドと呼んでいます。この台地は、いったん登ってしまえばその上は名前のごとく全く平らで、なだらかな高原状の地形をしています。氷河地形のタスマニアには、氷河時代に堆積した氷の力で削られてできたこのような高原地帯が数多く存在していますが、この中部山岳台地はその面積では圧倒的なスケールです。この台地の下には硬い火成岩の粗粒玄武岩が存在していているため、氷河に削られず台地のままで残っているのです。タスマニアの地図で、このセントラルプラトーのあたりを見てみると、無数の大小の湖沼群が存在しているのがわかります。氷河の後に残された湖です。タスマニアは湖沼の島で、大小約3000の湖を持つともいわれていまがすが、その大部分はこの台地の上に存在しているのです。この台地の上の湖で最大のものは、その名前の通りグレートレイク。その面積は日本の琵琶湖の4分の一、ゴードン湖、ペダ湖についでタスマニアで3番目の大きさですが、実はこれは人造湖で発電のためにの重要な水力資源、さらにロンセストン郊外の農業地域への灌漑用の水資源としても重要な存在です。標高1000mの台地の上にこれだけ広大な湖が存在している。そのことから、このセントラルプラトーの大きさ、広さがおわかりいただけると思います。
下の写真:左から、
グレートレイクの展望、グレートレイクに沿って走る5号線のハイウエイ、ハイウエイに沿った湖沼のひとつ、台地に生えるユーカリ古木
グレート・ウエスタン・ティアーズ・西部大急崖
グレートウエスタンティアーズとは、この広大な山岳台地の北の端にそって存在する急斜面の連なりをいいます。タスマニア中央部から北に伸びたセントラルプラトーの台地はここで終わり、突如急峻な断崖や斜面となってタスマニア北方の農業地域へ下り落ちてゆきます。デロレーンの町をスタートするA5号線のハイウエイはこの台地を南北に縦断する幹線道路ですが、町を出て牧場地帯を抜けていくとまもなくこの西部大急崖を登っていく勾配のきびしい道路になります。曲がりくねったこの道路を上り詰め正面に空が広がってきた地点で右を見るとプロジェクション・ブラフと名づけられた粗粒玄武岩の柱状節理の断崖が迫っているのに出くわします。そしてその左に設けられた展望台に登れば、ドライズブラフの断崖を背景に白く立ち枯れたユーカリの突き出た森林地帯の広がり、さらにバス海峡まで続く広大なタスマニア北部平野の大展望が望まれるのです。そこから数百メートルを走るとそこはもう標高1100mの最高地点、そして世界遺産の指定地域にもなっている玄武岩の風化した岩塊の広がる特異な風景に到達します。季節があえば、そこにはスコパリアの花の大群落。そして低温で厳しい環境にしか存在しないクッションプラントが点在する様子も。ハイウエイ沿いの景観だけでもなかなかのものですが、少し先のパインレイクウオークの、湖岸に沿って生えたペンシルパインの古木のスケルトンはもうひとつの見もの。是非、車を止めてこの往復30分程度のボードウオークを楽しんで見てください。
下の写真:左から  ドライズブラフとユーカリ枯れ木、玄武岩の岩塊高原、スコパリアの大群落、タスマニアのへそモニュメント
アングラー達のあこがれタスマニア
このセントラルプラトーを通るもうひとつのハイウエイはA10号線。ホバート郊外をスタートしてこの台地を横断、西海岸に抜けていく道路です。クレイドル国立公園の南端にあるセントクレア湖を源とするダーウエントの流れにそってこのハイウエイはこの台地を登っていきます。途中、この川の支流ナイブ川の深い谷越え道を下り、再び上り詰めるとそこはもう山岳台地の頂上です。この付近には天然の氷河の湖沼群に加え、ダーウエントの流域に設けられた発電用人造湖や運河、送水菅などが数多く存在している地域です。これらの湖には、ブラウントラウト、レインボウトラウトなどの野生の鱒が多数生息し、世界中から訪れるアングラーたちのフライフィッシングのメッカと言われる場所になっています。もう少しハイウエイを走ると左側に、ブロンテラグーンの浅い湖水の広がりが見えます。この湖岸に立っている記念碑が、いわゆる「タスマニアのへそ」、つまりタスマニア島の地理学的な中心なのです。釣りのために自分で3つの湖を造ったといわれるタスマニアの伝説的な釣りガイド「ジェイソン・ギャレット」で知られるかの有名な釣り宿ロンドンレイクスは、このブロンテラグーンから程近い森の奥に存在しています。

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 バックナンバー集
タスマニア紀行第1回:  小さなダイビングの天才  フェアリーペンギンについて

タスマニア紀行第2回:      壁画の町   シェフィールド

タスマニア紀行第3回:      地球で最も空気がピュアな島


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